1.用紙サイズや厚さには規定がある

用紙には、サイズや厚さの規定があり、◯◯紙などの種類があります。そして、そのサイズ、厚さ、種類によって、用紙自体の値段や印刷コストが変わります。 もちろん、用紙サイズや厚さ、種類によって、印刷物の用途も変わってきます。
そのため、単純に安いからという理由で用紙を選んでしまうと、違和感を感じたり、顧客の反応が悪かったり、そもそも思い描いていた用途に使うことができなかったりします。

用紙の基礎知識
このような失敗を避けるために、予め、用紙サイズ、厚さ、種類をある程度把握しておき、それぞれがどのような印刷用途に使えるかを押さえておかなければいけません。
今回は、印刷用紙のサイズの基準、用紙の厚さの基準、用紙の種類にどのようなものがあるか見ていきましょう。

2.用紙のサイズ-A版、B版とは?

紙のサイズはA版、B版という2つの基準に分かれています。それぞれ規格が違い、A版はドイツで作られた世界基準の規格、B版は日本で作られた国内基準の規格です。
残念ながら、日本ではA版、B版どちらも、それぞれ用途が浸透しているため、どちらかの規格に統一することは難しいでしょう。どちらも基本は覚えておかなければいけません。

A判、B判の数字(A4、B5など)はA0、B0から半分に折った回数を表示しています。従って、A3とA4はサイズが2培違い、B3とB5はサイズが4倍違うということです。
おなじみの、A4(210mm×297mm)、B5(182mm×257mm)のサイズを覚えておくと、「A3なら297mm×420mmだな。」とすぐにわかるようになります。
短い一辺を倍にするだけです。

【A版用紙のサイズ】
用紙のサイズA
A0:841mm×1189mm
A1:594mm×841mm
A2:420mm×594mm
A3:297mm×420mm
A4:210mm×297mm
A5:148mm×210mm
A6:105mm×148mm
A7:74mm×105mm
A8:52mm×74mm
A9:37mm×52mm
A10:26mm×37mm
【B版用紙のサイズ】
用紙のサイズB
B0:1030mm×1456mm
B1:728mm×1030mm
B2:515mm×728mm
B3:364mm×515mm
B4:257mm×364mm
B5:182mm×257mm
B6:128mm×182mm
B7:91mm×128mm
B8:64mm×91mm
B9:45mm×64mm
B10:32mm×45mm

3.用紙の厚さ-kgとは?

次に用紙の厚さですが、印刷に使われる用紙の厚さは、「mm」ではなく、「kg」という重さの単位が一般的です。人差し指と中指で摘んで、軽く擦った感覚で厚さを測ったりします。

企業で使われる一般的なコピー用紙の厚さは、70kg、73kg(0.08〜0.10mm)です。90kg(0.10〜0.13mm)を使っている企業もそこそこあります。なぜ「kg」という重さの 単位を使うかというと、紙の取引価格が「kg」で行われることが多いためです。
用紙の厚さ
73kgや90kgなどの重さは、印刷用紙を全判(A0、B0など)で1,000枚積んだときの重さです。この1,000枚の単位を1連と言い、1連の重さのことを連量と言います。
つまり、連量が重くなるほど、用紙も厚くなるということです。

ところがちょっと面倒なことに、全判サイズにはいくつか基準があります。主なものは、
A判(625×880mm)
菊判(636mmx939mm)
B判(788mmx1091xmm)
四六判(788mm×1091mm)
の4つの基準です。
このように用紙サイズが異なるため、同じ90kgでも、厚さが微妙に変わります。

用紙サイズの基準がA版とB版でも、印刷には断裁処理がありますので、紙も一回り大きなものを使うことが普通なのです。印刷後に断裁をすることで印刷物が完成するのですが、 その際、断裁基準になるのは、印刷データ作成時に作るトンボです。
A4サイズの印刷物を作るとして、そのサイズギリギリで作成してしまうと、仮に断裁位置がトンボから少しずれると大変です。

4.用紙の種類-上質、コート、マットコートとは?

用紙の種類は、印刷物の仕上がりに大きな影響を与えます。用紙の種類は非常にたくさんありますが、主に使われる用紙は、上質紙、コート紙、マットコート紙の3種類です。 元々の用紙の種類が違うため、同じデータを印刷しても、見た目が全く異なります。

●上質紙
高級そうなイメージをするかもしれませんが、極めて普通の用紙のことです。私たちがイメージするコピー用紙というと、この上質紙を使うことになります。会社にあるプリンターでカラープリントをすると、モニターで見る色よりも、色が暗くなります。 これは上質紙の特徴で、インクが用紙に沈んでしまうためです。
上質紙はノーマルな紙であるため、好みによりますが、どんな用途でも遜色はありません。ただし、印刷会社に発注したときの印刷物独特の高級感を出すことはできません。

●コート紙
コート紙は名前の通りコートされている紙であるため、見た目がテカテカ、つるつるとして、光の反射が感じられる用紙です。非常に発色が良い紙なのですが、その分、用紙に傷がつくと反射で目立ちます。
また、手で触ると指紋が残ります。チラシ、ポスター、本の表紙、名刺など、どの用途でもつるつるした紙がしっかりとイメージできるでしょう。

●マットコート紙
マットコート紙は、上質紙とコート紙の中間の用紙というとイメージしやすいと思います。インクが乗りやすく発色は良いのですが、コート紙に比べてテカテカが抑えられています。テカリが少ない分、傷や指紋などは目立ちません。 使いやすい用紙なので、比較的多用されています。

5.用紙のサイズ、厚さ、種類のまとめ

紙のサイズ、紙の厚さ、紙の種類はいろいろあって、一見わかりにくく感じるかもしれませんが、基本のサイズを覚えてしまえば、問題はないでしょう。
ちなみに、用紙のサイズは、完成された印刷物(本等)に対して、それぞれ独自の名前と規格が設けられています。
必要ない方が多いとは思いますが、一応押さえておくと以下の通りです。

・ハガキ:100mm×148mm
・AB判(ワイド判):210mm×257mmなど
・タブロイド判:273mm×406mm(夕刊フジ、日刊ゲンダイなど)
・書籍用菊判:218mm×152mm
・書籍用四六判:188 mm×127mm(書籍)
・レターサイズ:216mm×279.5mm
・新書判:106mm×173mm
・文庫判:105mm×148mm

折込チラシやリーフレット、フライヤーなど、一般的に使う用途が明確であれば、印刷会社に最適なサイズを聞けば、教えてくれるはずです。
後は、費用対効果の話になります。業種によって、チラシの一般的な厚さが変わることはありますし、紙の種類もどう見せたいかによって変わることがあります。

おすすめの商品

コピー機・複合機 お役立ち情報

コピー機・複合機に関するあらゆるカテゴリーの情報をまとめました。機器導入の際などにご不明に思われたことや、用語の説明、制度・仕組みなどについてもご案内しています。
各テーマごとに情報が掲載されていますので、ご自由にご覧ください。