コピー機・複合機の省エネ対策

1.OA機器の節電を通じた省エネとは

経済産業省の調査報告によれば、オフィスビルで効果的に節電を行うには、電力消費の約8割を占めている、照明(33%)、空調(28%)、OA機器(パソコン、コピー機等…21%)の3つの対策が重要と指摘されている。

この内、消費電力の2割以上も占めているOA機器は、PC、プリンター、複合機等、それぞれの分野で対策が必要です。
オフィスの消費電力1
中でもコピー機やFAXなどが一体型となった複合機の消費電力が特に高いことが分かります。これらをこまめに省エネ対策をすることで、コスト削減という経営的なメリットも大きくなるでしょう。
オフィスの消費電力2

2.複合機の消費電力の種類

複合機は現在のオフィスには欠かせない事務機器となり、リース料金などの維持費用はもちろん電気料金もランニングコストとして必要になります。
その複合機の消費電力は、以下の「最大電力」、「動作時平均電力」、「待機時電力」 に分類されます。
消費電力を削減するためには、待機状態からコピーや印刷するために復帰したときの最大電力と、コピーや印刷している最中の動作時平均電力に対策を施す必要があります。

●最大電力
最大電力とは、複合機の電源を入れたときや、待機状態からコピーや印刷するために復帰したときの電力を指し、この瞬間が最も電力を消費するため、最大電力と呼ばれています。

●動作時平均電力
動作時平均電力とは名前の通り、複合機でコピーや印刷している最中の消費電力を指し、継続して動作しているときの平均値で表されます。

●待機時電力
待機時電力とは、複合機を使っていないときのスリープモードやスタンバイ状態で消費している電力を指し、最も消費電力が少ない状態になります。 この待機時電力に関しては、最近の機種では、1.98kwh(年間/103kwh)約2,200円程度と言われていますが、新しい機種ほど消費電力は少なくなります。 実際にそれぞれの状態でとれくらい電力を消費しているのかは、機種によって異なりますが、平均すればおおよそ以下の様な数値が算出されます。
最大電力:1,100W〜1,500W
稼働時平均電力:400W〜600W
待機時電力:100W〜150W
スリープモード:1.5W〜3W
このような数値は、複合機メーカーのホームページには必ず専用ページで用意されているので、お使いのメーカーで確認してみてください。

【参考:メーカー別消費電力】
メーカー シャープ キャノン リコー 富士ゼロックス
機種 MX-5150FV iR-ADV C5550F III IM C4500 DocuCentre-VII C4473
連続複写速度 51枚/分 50枚/分 45枚/分 45枚/分
最大消費電力 1.45kW以下 1.5kW 1.5kW以下 1.5kW
エネルギー消費効率 173kWh/年区分:複合機b 130kWh/年区分:複合機b 81kWh/年区分:複合機b 100kWh/年区分:複合機b
ウォームアップ フルカラー 27秒
モノクロ 15秒
10秒以下
主電源ON時の高速起動[ON]の場合
21秒 36秒以下
主電源が入っている場合は30秒以下
TEC値 3.3kWh 2.4kWh 1.5kWh 記載なし
国際エネルギースタープログラム 適合 適合 適合 適合
※当社調べ。


■エネルギー消費効率
省エネ法 (平成25年3月1日付)で定められた測定方法による数値。1年に消費する電力量を示しているため、この数値が小さいほど省エネ性が高いことを示しています。

■TEC値
「Typical Electricity Consumption」の略で、財団法人省エネルギーセンターの「国際エネルギースタープログラム」に適合するための基準と なる値です。 具体的には、プリンターなどのオフィス機器における「概念的1週間(稼働とスリープ/オフが繰り返される5日間+スリープ/ オフ状態の2日間)の消費電力量(TEC消費電力量)(Wh)を指します。
TEC値が基準値以下である場合、「国際エネルギースタープログラ ム」の適合商品として認定を受けることができます。TEC値が低いほど省エネ性能が高いことを表します。

■国際エネルギースタープログラム
「国際エネルギースタープログラム」は、オフィス機器の国際的省エネルギー制度です。製品の稼働、スリープ、オフ時の 消費電力などについて、省エネ性能の優れた上位25%の製品が適合となるように基準が設定され、 この基準を満たす製品に「国際エネルギースターロゴ」の使用が認められています。

3.複合機の省エネ対策

●機器の集約化
多くの電力を必要とする複合機ですが、他の機器をバラバラに使用するよりも、実は電力は少なくて済むのです。
例えば、カラープリンターにモノクロプリンター、FAXにコピー機と、何種類もの機器が何台も繋がっていませんか?これらの機器がそれぞれ別個に待機電力を消費していたら・・・実はかなりの無駄になっていると思いませんか? これらのオフィス機器を統合して複合機にまとめることで、省エネ効果をあげることができるのです。いちど環境を見直してみてください。
又、オフィスのレイアウトを見直してみることも大切です。例えば複合機の設置場所。多くの人が使いやすい場所に、必要な数が設置されているでしょうか。ほとんど使われていない複合機がないよう、 適切に配置して、その上で集約することです。

●節電(省エネ)モードをうまく使う
夜間にコピーや印刷物の出力をすることはなくても、FAXを受信する可能性がある事業所では、常にコピー機(複合機)の電源を「入」の状態にしているのではないでしょうか?
近年発売されているほとんどのコピー機は省エネモードを搭載しています。しかし、どれほど省エネをしてくれているの?という疑問は残るのではないでしょうか。 一昔前の機械だと、8kw(年間 /404kwh)で約8800円位、最近の機械ですと、1.98kwh(年間/103kwh)約2200円位と進化していますので、新しい機械ほど電気代は少なくすむ仕様になっています。

●主電源をオフ、コンセントを抜き待機電力をカット
使っていない時には必ず本体の主電源をオフにしましょう。また業務終了時など、しばらく使わない時にはコンセントからプラグを抜いておくことで待機電力を抑制することができます。 1日あたりの一般的なコピー機の待機電力は約3.3kWhになり、年間にすればかなりの電力を節約できます。

●ミスプリント、無駄プリントを減らす
最近の複合機には、個人認証機能を搭載したものもあります。セキュリティ対策に加えて個人の利用状況を「見える化」することで、社員のムダ印刷やとりあえず印刷を減らせます。ある例では、社員100人の企業A社でムダ印刷の試算を行ったところ、 年間900万円にもなるとのことです。塵も積もれば山となる。ミスプリントも無視できません。

●まとめて出力する
複合機は、待機状態から出力を開始するときに最も電力を消費します。このため、パラパラと印刷するよりも、一度にまとめて印刷することで消費電力を削減することができます。 留置印刷やFAXのデータ蓄積機能を上手に活用して、なるべくまとめて出力すると効率的ですまた、そのまま電子化してパソコンで閲覧するだけ印刷しない方法もあります。

出力時の電力を抑えるために、高速モードでまとめて印刷するのもひとつの方法です。また、新しく複合機の導入を考える場合なら、高速で出力できる機器を選ぶのも良いと思います。

●集約印刷を行う
集約印刷とは、1枚の用紙に複数ページ印刷する機能です。複合機の消費電力は出力時間が長いほどたくさん必要となります。 社内資料など、複数ページを1ページに集約して資料を作成するときには集約印刷(2in1,4in1他)を行うことで、出力時間を単純計算で1/2、1/4に短縮し、消費電力を削減 することができます。
オフィスの消費電力3

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