1. 知っておきたい複合機(MFP)の便利機能
複合機はMFP(Multifuncnction Printer又はPeripheral)とも言われ、名前の通り、今やオフィスに無くてはならない複数の機能が合わさったIoT(Internet of Tings)機器です。
その基本機能は、印刷(プリント)、コピー、スキャン、FAXはもちろんですが、派生的な多くの機能が搭載されています。特に、近年発売された機種にはネットワークを通したデータの送信やセキュリティの強化など便利機能がたくさん搭載されています。
ここでは、これら便利機能の中から、知っておきたい主な機能をご紹介します。
各複合機にその機能が搭載されているかどうか、またその使い方に関してはサポートスタッフ等にご相談ください。
2. 複合機のクラウド連携
クラウド連携とは、複合機で電子化した文書をクラウドに保存して共有・管理することを言います。合機からスキャンしたデータをクラウドツールやアプリを通して簡単にアップロードして保存する機能です。スキャンされた文書はお使いのPCや携帯電話から検索・観覧できるようになります。最近ではよくご質問を頂く使い方の一つです。
また、クラウド上に保存してあるデータを直接プリントアウトすることができます。書類や資料をデータ化して保存することで、ペーパーレスを実現できるので、管理がスムーズになります。取引先への外勤が多くても大量の資料を持ち歩くことがなくなるのでとても便利です。
また、USBメモリなどに入れて持ち運ばなくても効率的にデータを閲覧・プリントできます。
3. 受信データの多彩な転送機能
ファクスやインターネットFax、コピー/プリント/スキャンデータを、PDFデータに変換し、指定した共有フォルダーやE-mailなどに転送できます。
PDFファイルなら受け取る側のどんな環境のPCでもファイルを開くことができ、閲覧や印刷が可能なので、現在のビジネスで広く使われている使い方です。
受信文書をPDFに変換して、メールや外部メモリー、PCのフォルダなどにデータとして送信・保存できるので、ペーパーレスによるコストカットが期待できます。
外出先や在宅勤務などあらゆる状況でも会社から受信したFAX文書を確認することができるので、社外への移動が多い環境で働くビジネスマンに最適な機能です。
全国のコンビニでもユビキタスプリントが可能です。
4. ユーザーICカード認証
コピー機の不正使用を防ぐために、登録された使用者のみが使えるようにするシステムです。情報漏洩対策にユーザーICカード認証を活用しましょう。
「ユーザーICカード認証システム」とは、印刷をICカード利用者のみに制限したり、誰がどのデータを出力したのかを情報収集することができます。
印刷物の取り間違えや置き忘れ、データの不正持ち出しなどを防ぎます。
パソコンのセキュリティは気にしているけど、コピーのセキュリティー対策は見逃していませんか? 印刷物を置き忘れたり、誰かが間違って持って行ってしまったり、情報漏洩のリスクは日常的に多くあります。
5. リテンション/ドキュメントファイリング
データを複合機内蔵のハードディスクに保存し、複合機の操作のみでプリントできる機能です。「リテンション/ドキュメントファイリング」とは、プリントデータを本体内蔵のハードディスクに保存して、そのデータが必要なときはパソコンを使用せずに、複合機の操作パネルからプリントアウトできる機能です。
プリントする機会が多い定型のデータなどは、ハードディスク内に保存していると便利です。会社のちょっとしたパンフレットやよく利用する取引先への発注用紙など、プリントアウトする機会が多いデータがある場合は「リテンション/ドキュメントファイリング」機能を活用すれば、わざわざ自分のデスクに戻ってパソコンから印刷するよりもずっと効率的です。
6. 指定範囲消去コピー/枠消し
指定した領域を消去してコピーすることができる機能で、原稿の影なども消すことが可能です。「指定範囲消去コピー/枠消し」機能は、原稿を辺ごとに消去する幅を設定し、周囲4辺を同じ幅で消去できる機能です。
パンチ穴の影やホッチキス、ファックスの上部/下部に印刷されている受信記録などを消すときに大変便利です。また、厚手の原稿や書籍の見開きをコピーしたときに影を消すのにも役立ちます。
ホッチキスで留められた資料や、パンチ穴が空けられていた資料をキレイな状態で保管したい場合や、キレイな状態で資料を取引先など人に渡したい場合に大活躍です。複製したことがわからないくらい、周りにできる影などをキレイに消してくれます。
7.不正コピーを抑止する地紋印字コピー
「コピー禁止」文字を浮かばせて書類の不正コピーを防止するための機能です。地紋印字コピー/プリント」とは重要な書類に「コピー禁止」などの牽制文字を浮かばせ、不正コピーを抑止する機能です。
会社で扱う文書の中には、持ち出しや複製禁止のものなど機密文書が必ずあると思います。いつどこでその文書が流出してしまうか分りません。不正コピーを抑止したい文書を地紋コピー/プリント機能で出力。再コピー時に文書の背景に模様や指定の文字を浮かび上がらせて印刷でき、機密情報や個人情報の不正コピーを抑止する効果があります。
8.情報の持ち出しを防止する追跡情報印字プリント
不正な文書情報の持ち出した実行者の追跡ができる機能です。「追跡情報印字プリント」は、システム設定でこの機能をONにすることで、常に印刷日時やユーザー名などをページの上部と下部に印字ができる機能です。
ジョブログと紐付けることでいつ何を印刷したのかなど情報を追跡することができ、不正コピーやスキャンなどを抑止できる効果があります。
情報管理体制が厳しい企業ではよくこの機能が活用されていますが、「紙」からの情報漏洩も多い中、さまざまな企業でもこのようなセキュリティに対する関心が高まっています。万一の情報漏洩時、いつ、どの複合機で、誰が出力したものかが追跡できます。
9.ブック複製機能
製本された雑誌を見開き毎にA3コピーするのでは、大きいし、ページをめくりつらいので、「ブック複製機能」を使いましょう。見開き毎にコピーするだけで、原稿と同じように、両面で冊子状に仕上げることが、可能で、コピー作業はもちろん、資料としても読みやすく、業務効率がアップします。
当機能はメーカーや機種性能・オプション搭載の有無によって異なります。詳しくは、お問い合わせ窓口にご相談ください。
本などを見開きどおりにコピー本やパンフレットなどの見開き原稿をコピーする際、見開きの2ページ毎に原稿台に載せ読み取れば、できあがったコピーを2つ折りにすると中とじの冊子になるようにコピーできます。パンフレットのように見栄えよく製本して仕上げる時に便利です。
(※)自動的に中折りするにはサドルフィニッシャー(オプション)が必要です。機種により最大とじ枚数に制限があります。
10.見てからコピー機能
読み込んだコピー原稿をコピーで出力する前にイメージ表示して、画面で確認できるので、失敗コピーを防げます。
読み込んだ画像が切れていないか、もしくは両面コピー時の表面と裏面の印刷の向きやとじしろ、枠消去などコピーの編集機能で設定した内容を確認して出力できます。
また、「仕上がり表示」では、ステープル止めやパンチ穴などがアイコンで表示され正しい位置になっているかを確認することができます。
11.まとめ
近頃の複合機は、コピー・FAX・プリンター・スキャナー機能の他にも様々な付加機能を持っています。一般的な複合機の使い方としてはそこまで他の機種と差別化できなくなっている現状もあり、本当に便利なのか、自分帯の使い方では無駄になってしまう機能なのか、そういう見極めも必要ですが、
本当に役に立つ機能を有効に活用することでオフィスの快適化・業務効率の向上が見込めます。
ただし、メーカーや複合機のグレードによりオプションであったり、対応できない機種もありますので詳しくは、お問い合わせ窓口にご相談ください。